プラセンタの特徴と効果
プラセンタとは英語で胎盤という意味です。胎盤は、母体と赤ん坊をつなぐ重要な器官ですが、そこには豊富な栄養素が含まれています。そのため、医薬品、健康食品、化粧品など、美容と健康を目的とした商品にしばしば配合されています。ただ、胎盤そのものを食べるわけではありません。胎盤から特殊な方法でエキスを抽出し、それを使用しているのです。
そんなプラセンタにもさまざまな種類があります。大別すると動物性プラセンタ、植物性プラセンタ、海洋性プラセンタの3種類です。
成長因子で老化防止効果も?動物性プラセンタ
3種類の中で中心的な存在は、動物性プラセンタです。各種アミノ酸、ビタミン、ミネラル、酵素などの栄養素が豊富であることに加え、成長因子が含まれていることが特徴です。
成長因子には、細胞を刺激し、細胞分裂を活性化する働きがあります。つまり、成長因子を摂取すると新しい細胞が生みだされやすくなり、老化防止が期待できるのです。
豚プラセンタ
現在、プラセンタの原料とされている動物には、豚、馬、羊がいます。その中でも、最も多く流通しているのが、豚のプラセンタです。豚は多産であるため、大量生産が可能で、安価で販売することができます。
以前は牛のプラセンタも多かったのですが、狂牛病の騒動以来、利用が禁止されてしまいました。また、豚の組織は人間の体と相性が良いと言われていることも、広く普及した理由のひとつです。
ただ、豚は病気にかかりやすいため、予防接種や薬剤投与を大量に行われていることが多く、それが、人体になんらかの影響を与えるのではないかと懸念されています。そのため、現在では、清潔な環境で飼育し、少量の薬しか用いないSPF豚のプラセンタが注目されています。
馬プラセンタ
一方、人気の点でトップを走るのが、馬のプラセンタです。その人気の秘密は、栄養価の高さにあります。
アミノ酸の含有量は、なんと豚の300倍の数値を記録。その上、豚のプレセンタには存在しない必須アミノ酸を数多く含んでいます。その他にも、ビタミン、ミネラル、核酸、酵素などの量も豚を上回り、まさに栄養素の固まりです。
馬には1年近い妊娠期間があり、基本的に1匹ずつしか子供を産みません。そのため、じっくり時間をかけて丈夫で密度の高い胎盤ができあがるのです。
しかし、出産に時間がかかるということは、プラセンタの大量生産が困難なことを意味します。希少価値が高いため、その価格も手軽には手を出しにくいものになっています。
羊プラセンタ
羊の胎盤は、アミノ酸組織が人に酷似しているため、拒絶反応の心配が少なく、体内への吸収力も高いのが魅力です。ただ、狂牛病が問題になった際に、牛と同様、胎盤の利用が制限されてしまいました。そのため、今では狂牛病の発生していないニュージランドからわずかな量を輸入しているだけです。
ヒトプラセンタ
ちなみに、人間の胎盤を採取してプラセンタを作ることも、もちろん可能です。しかし、人のプラセンタは、薬機法(薬事法)によって、栄養食品や化粧品としての利用を禁じられています。使用が許されているのは、医薬品としてだけです。